この記事では、シマノのスコーピオンを5本使った経験をもとに、FishingLabの道具評価フレームである Spec / Feel / Affinity / Fit / Cost を使って、「良い道具」と「自分に合う道具」の違いを整理します。
これまで、シマノのスコーピオンというロッドをかなり高く評価してきました。
今でも、その評価が間違っていたとは思っていません。
スコーピオンには、他のロッドにはない魅力があります。
強い。
粘る。
大口径ガイドで太糸に強い。
パックロッドやワン&ハーフ構成で持ち運びやすい。
赤いブランクスの存在感もある。
コルクの質感もすばらしい。
単なるスペックだけではなく、「このロッドで釣りをしたい」と思わせるロッドです。
ただ、実際に5本使っていく中で、手元に残す番手と、整理する番手がはっきり分かれてきました。
残すのは、15101F-5と2701FF-2。
手放すのは、1703R-2、17113R-2、2702R-2です。
並べてみると、かなり分かりやすい傾向があります。
F系、FF系は残す。
R系は手放す。
これは単なる好みの話でもあり、スコーピオンというロッドの設計思想と、自分の釣り方の相性の話でもあります。
この記事では、スコーピオンを5本使って感じたことを、
FishingLabの道具評価フレームである Spec / Feel / Affinity / Fit / Cost の5軸で整理します。
FishingLabの道具評価フレーム|Spec / Feel / Affinity / Fit / Cost
釣り道具を評価するとき、単純に「良い」「悪い」だけでは判断できません。
スペックが高い道具でも、自分の釣りに合わなければ出番は減ります。
逆に、スペックだけで見ると突出していなくても、使っていて気持ちよかったり、なぜか手元に残したくなるものもあります。

FishingLabでは、フィッシングギアを5つの観点から見ていこうと思います。
Spec / Feel / Affinity / Fit / Cost
- Spec:仕様・性能。数値、構造、素材、搭載技術など
- Feel:使用感。巻き心地、曲がり方、戻り、操作感、持ち重りなど
- Affinity:趣・愛着。見た目、ブランド、思想、所有したい感覚
- Fit:適合性。自分の釣り、用途、フィールド、対象魚に合うか
- Cost:費用感。価格、合わせる道具、出番、代替品との比較
良い道具かどうかと、自分に合う道具かどうかは同じではありません。
Specが高くても、FeelやFitが合わなければ出番は減ります。
逆に、スペックだけでは突出していなくても、Feel、Affinity、Fitが高い道具は手元に残ります。
今回のスコーピオンは、まさにその例です。
Specは今でも魅力的です。
大口径ガイド、強いブランクス、太糸対応、携行性。
Affinityもあります。
赤いブランクスや、ワールドシャウラの思想を受け継いだような存在感には、今でも惹かれるものがあります。
ただ、自分にとってズレてきたのはFeelとFitでした。
Rテーパーの粘り。
大口径ガイドによる重さ。
強い番手での軽快さの不足。
自分の釣り方や使うフィールドとの相性。
そこが今の自分の釣りと合わなくなってきた、ということです。
そして最後にCostです。
ロッド単体の価格だけではなく、合わせるリール、ライン、出番、代替できるロッドまで含めて考えると、手元に残す番手と、整理する番手が分かれてきました。
使ってきた5本と、残す番手・手放す番手
今回整理したスコーピオンは、次の5本です。
| モデル | 種別 | テーパー | 判断 |
|---|---|---|---|
| 15101F-5 | ベイト | F / ファスト | 残す |
| 2701FF-2 | スピニング | FF / エクストラファスト | 残す |
| 1703R-2 | ベイト | R / レギュラー | 売却 |
| 17113R-2 | ベイト | R / レギュラー | 売却 |
| 2702R-2 | スピニング | R / レギュラー | 売却 |
スコーピオンは、型番の頭が「1」から始まるものがベイトロッド、「2」から始まるものがスピニングロッドです。
今回残すのは、ベイトの15101F-5と、スピニングの2701FF-2。
どちらも、ファスト寄りのテーパーです。
一方で、手放す3本はすべてRテーパーです。
ここが、自分の中ではかなり大きな発見でした。
最初は、パワーが上がるほどスコーピオンが合わないのかと思っていました。
ただ、よく見ると問題はパワーだけではありません。
自分に合わなかったのは、スコーピオンのRテーパーの感触=Feelでした。
スコーピオンは強くて粘る。でも軽快なロッドではない
スコーピオンの良さは、強さと粘りです。
大口径ガイド。
太糸への対応力。
ロッド全体で受け止める安心感。
多少無理をしても破綻しにくいタフさ。
このあたりは、強い釣りでは明確なメリットになります。
重めのルアーを投げる。
太いラインを使う。
大きめのリールを合わせる。
大きい魚を狙う。
こういう釣りでは、スコーピオンの設計思想はかなり合っていると思います。
一方で、軽快な釣りでは、その良さが少し重さとして出ます。
大口径ガイドは、太糸やリーダー抜けには強い。
ただ、軽快にロッドを振る釣りでは、先重り感や操作時の鈍さにつながることがあります。
Rテーパーの粘りも同じです。
魚を掛けたあとには安心感があります。
ただ、テンポよくジャークしたり、トゥイッチを入れたり、ロッド操作でルアーを細かく動かす釣りでは、どうしてもシャープさにかける感覚があります。
つまり、スコーピオンは「軽快に操作するロッド」というより、投げて、巻いて、曲げて、強く受け止めるロッドなのだと思います。
クランク。
スピナーベイト。
チャター。
巻き系のスイムベイト。
ただ巻き系のプラグ。
こうした釣りには、スコーピオンの粘りや懐の深さが良い方向に出るはずです。
逆に、テンポよくジャークする釣り、細かくルアーを操作する釣りでは、自分には少し重く、粘りすぎると感じました。
大口径ガイドは強い釣りには合うが、軽快な釣りでは重く感じる
スコーピオンの特徴のひとつが、大口径ガイドです。
これはスコーピオンの良さでもあります。
太いラインを使う。
太めのリーダーを組む。
ノット抜けを重視する。
遠征先でいろいろな魚を狙う。
強めのタックルで大きい魚に対応する。
こうした場面では、大口径ガイドはかなり心強いです。
ただし、軽快な釣りでは、そのガイドの存在感が重さとして出ます。
ロッド全体の持ち重り。
振り抜いたあとの収束。
細かく操作するときの軽さ。
長時間使ったときの疲労感。
こうした部分では、最近の軽くてシャープな専用ロッドとの差を感じます。
スコーピオンは、設計思想としてかなり強い釣りを見ているロッドだと思います。
実際スペックに書かれたルアーよりも重いものを扱えると村田さんもおっしゃってます。
大口径ガイド、太糸対応、粘るブランクス、強いバット。
これらを見ると、軽快なライトバーサタイルロッドというより、強めのタックルで大きい魚を狙うロッドです。
15101F-5を残す理由
15101F-5は、ベイトロッドの中でもかなり気に入っている番手です。
短めで、ファストテーパー。
スコーピオンらしい強さはありつつ、R系のようなもたつきが少ない。
軽い入力に対してティップが素直に入り、操作感も残ります。
このバランスが良いです。
スコーピオンの強さと、ファストテーパーの軽快さがうまく噛み合っている番手だと思います。
ベイトロッドでありながら、扱いが重くなりすぎない。
短さもあって、手元でコントロールしやすい。
だから15101F-5は残します。
2701FF-2を残す理由
2701FF-2は、今回の5本の中でも特に手放しにくいロッドです。
2701は1番パワーのスピニングロッドですが、単なるライトロッドではありません。
FF=エクストラファストのティップは繊細です。
でもソリッドティップのような脆さはなく、あくまでしなやかで強いというスコーピオンらしいもの。
軽いルアーも扱いやすく、スピニングらしい軽快さがあります。
一方で、バットにはかなり強さがあります。
バットだけで見れば2番パワーに近いと言われるくらいで、他社の表記で無理に言えば、ライトティップ・ヘビーバットのようなロッドです。
このバランスは、他社にはあまりありません。
ライトに扱える。
でも、魚を掛けるとしっかり止められる。
繊細さもある。
でも、弱くはない。
スコーピオンらしい強さと、ライトパワーらしいシャープさが、かなり良いところでまとまっています。
この番手は、スコーピオンの中でもかなり完成度が高いと思っています。
1703R-2を手放す理由
1703R-2は、強めのベイトバーサタイルとして見ると、スコーピオンらしさがよく出ている番手です。
強くて、粘る。
太めのラインを使い、重めのルアーを投げ、巻いて曲げる釣りには合います。
ただ、自分の使い方では、少し軽快さが足りませんでした。
ジャークやトゥイッチのようにテンポよく操作したいとき、ロッド全体の入り方と戻りが少し遅く感じます。
ルアーを動かすというより、ルアーの重みを乗せて巻いてくる竿。そう考えれば良いロッドです。
ジャイアントまでいかない2ozぐらいまでのビッグベイトならバッチリです。
ただ、私はそれほどビッグベイトな釣りはやらないので整理対象になりました。
17113R-2を手放す理由
17113R-2だけは、少し特殊なロッドです。
単なる3番パワーの強いロッドというより、遠投を狙ったロングベイトロッドだと思います。
高弾性カーボンによってスコーピオンの中でも反発と飛距離を意識した番手です。
約8ftに近いレングスがあり、オカッパリから重めのルアーを遠投する用途には合っています。
ボートには持ち込みにくく、実質的にはオカッパリ遠投専用です。
その用途にハマれば、良いロッドだと思いますが、遠投後にアクションさせたり、ロックフィッシュを狙ってボトムを意識した釣りをするにはやや重い。
決定的だったのは、同じような用途で使える別のロッドがあったことです。
8ftちょいのメジャークラフトのロックライバー5Gをもっていますが、ルアーウェイトの範囲も近く、オカッパリで遠投する用途も重なります。
それでいて、自重はロックライバー5Gのほうが約40gも軽い。この差はかなり大きいです。
8ft前後のロッドで40g違うと、持ったときの軽快さ、キャスト後の収束、操作感、釣行後の疲れ方まで変わります。
最大飛距離でいうとおそらく17113のほうが飛びます。
ただ、用途、重量、コスト、代替ロッドとの比較を考えると、自分の中では残す理由が薄くなりました。
2702R-2を手放す理由
2702R-2は、スピニングの2番パワーです。
これは実はすごく気に入っていたロッドでした。
1番パワーの2701FF-2と比べると、当然ながら強さがあります。
ただ、ここでも気になったのはRテーパーの感触です。
2701FF-2には、繊細さとシャープさがあります。
軽い入力でティップが入り、操作感も残る。
一方で、2702R-2になると、スコーピオンらしい粘りが前に出てきます。
それが悪いわけではありません。
ただ、自分には少し重く、操作感がぼやけるように感じました。
2番パワーの強さは欲しい。
でも、Rテーパーではなく、ファスト寄りの操作感が欲しい。
他社には、スコーピオンの2番パワー前後と同じくらいの強さで、ファストテーパーのロッドがあります。
そうしたロッドを触ると、自分が欲しかったのは「強いスコーピオン」ではなく、強くてファスト寄りのロッドだったのだと分かってたので、整理することにしました。
5つの軸でスコーピオンをみてみましょう
Spec|仕様面は今でも魅力がある
Specで見れば、スコーピオンは今でもかなり魅力があります。
大口径ガイド。
太糸対応。
粘るブランクス。
強いバット。
パックロッドやワン&ハーフの携行性。
フリースタイルな汎用性。
これらは明確な強みです。
遠征、車載、旅先での釣り、強めのラインでの釣り、大きい魚を意識した釣り。
こうした用途では、スコーピオンは今でもかなり使えるロッドだと思います。
特に、大口径ガイドと太糸対応はスコーピオンらしい部分です。
細いPEラインや軽量ルアーに特化したロッドではなく、太めのラインやリーダーを含めて安心して使える設計です。
その意味では、現代的な軽量専用ロッドとは違う方向を向いています。
スコーピオンのSpecは、軽快さよりも安心感と対応範囲に寄っています。
ここを理解して使うなら、今でもかなり価値のあるロッドです。
Feel|自分に合わなかったのはRテーパーの感触
今回、一番ズレを感じたのはFeelです。
スコーピオンのRテーパーは、強くて粘ります。
魚を掛けたあとにロッド全体で受け止める安心感があります。
ただ、自分には少し操作感が重く感じました。
テンポよくジャークする。
細かくトゥイッチを入れる。
ロッド操作でルアーをキビキビ動かす。
こういう釣りでは、Rテーパーの粘りが少しもたつきに感じます。
自分は、しなやかに曲がるロッドが好きです。
ただし、ロッド全体が大きく曲がって、戻りがゆっくりなロッドが好きという意味ではありません。
軽い入力でティップが素直に入り、ベリーまで自然に乗る。
でも、キャスト後や操作時にはダルさが残らず、手元に感覚が返ってくる。
そういう、しなやかだけど、ぼやけないロッドが好きなのだと思います。
その意味で、15101F-5や2701FF-2はかなり好みに合っています。
一方で、Rテーパーの3本は、自分には少しもたつきや鈍さとして感じられました。
Affinity|愛着は今でもある
スコーピオンには、今でも愛着があります。
赤いブランクスにきれいなコルクグリップ。
ワールドシャウラの思想を受け継いだような存在感。
魚種を限定しないフリースタイルな世界観。
遠征にも使える安心感。
こうしたAffinityはかなり強いです。
スコーピオンは、スペックだけでなく、モノとしての趣があります。
置いてあるだけで少し気分が上がる。
持ち出すと「何か大きい魚を釣りたい」と思わせる。
そういうロッドです。
ただ、道具はAffinityだけでは残せません。
どれだけ愛着があっても、FeelやFitが合わなくなれば出番は減ります。
今回の整理は、スコーピオンが嫌いになったからではありません。
むしろ好きなロッドだからこそ、自分に合う番手だけを残したい、という整理です。
Fit|F系は合うが、R系は今の釣りに合わなかった
Fitは、自分の釣りとの適合性です。
良い道具でも、自分の釣りに合わなければ出番は減ります。
スコーピオンの場合、自分に合っていたのはF系、FF系でした。
15101F-5は、短めのベイトロッドとして扱いやすい。
近所の川でも、堤防でも、ボートでも。とにかくいろいろなところで使えます。
2701FF-2は、ライトスピニングでありながらバットに強さがあり、ライトゲーム全般、エギング、シーバス、チニング、不意にかかったナマズまで何でも来いのロッドです。
一方で、Rテーパーの3本は、今の自分の釣りには少し合いませんでした。
Rテーパーの粘りよりも、ファスト寄りの操作感のほうが合っていました。
つまり、スコーピオン全体が合わないわけではありません。
自分に合うスコーピオンと、合わないスコーピオンがある。
5本使って、それがかなりはっきりしました。
Cost|ロッド単体ではなく、合わせるタックルまで含めて考える
Costは、ロッド単体の価格だけではありません。
そのロッドを活かすために、どんなリールを合わせる必要があるのか。
どんなラインを使うのか。
どのくらい出番があるのか。
代替できるロッドはあるのか。
そこまで含めて考える必要があります。
たとえば17113R-2は、遠投向けのロングベイトロッドとして見ると、しっかりしたリールを合わせたくなります。
アンタレスDC MDのような、大きくて飛ぶリールが欲しくなる。
そうなると、タックル全体のコストはかなり上がります。
しかも用途はオカッパリ遠投寄りに限られます。
ボートには持っていきにくい。
同じような用途で、より軽いロックライバー5Gがある。
そう考えると、Costの面でも17113R-2を残す理由は弱くなりました。
1703R-2や2702R-2も同じです。
ロッド単体としては悪くありません。
ただ、自分の釣りの中で出番が減り、よりFeelやFitの高いロッドがあるなら、手元に残す理由は弱くなります。
Costは、安いか高いかだけではありません。
価格に対して、どれだけ出番があるか。
代替できない価値があるか。
手元に残すことで、釣りの幅や気分がどれだけ上がるか。
そこまで含めて考える軸だと思います。
スコーピオンが向いている人
スコーピオンが向いているのは、次のような人だと思います。
- 強めのタックルで大きい魚を狙いたい
- 太糸や太めのリーダーを使いたい
- ロッド全体で曲げて受け止める感じが好き
- 巻き物やただ巻き系の釣りが多い
- 遠征や車載で、1本の汎用性を重視したい
- 赤いブランクスやスコーピオンの世界観が好き
特に、グイグイ巻いて、ロッドにルアーの重みを乗せて使う釣りには合うと思います。
強めのライン、強めのリール、強めの釣り。
そういう使い方でこそ、スコーピオンの良さは出やすいはずです。
スコーピオンが合いにくい人
一方で、次のような人には合いにくい番手もあると思います。
このような釣りではスコーピオンでもF、FFのロッドを選ぶほうがいいと思います。
- 軽快な操作感を重視する
- ジャークやトゥイッチを多用する
- シャープな戻りが好き
- 軽いロッドをテンポよく振りたい
- 強いロッドでもファストテーパーの操作感が欲しい
- 専用ロッドの軽さや感度を重視する
特に、Rテーパーの強め番手は、良さと重さが表裏一体です。
巻き物には合う。
でも、操作系の釣りでは少しもたつく。
ここを理解して選んだほうがよいと思います。
まとめ|スコーピオンは素晴らしい、でもすべての番手がその人と合うとは限らない
スコーピオンは今でも好きなロッドですが、釣り道具は、良いか悪いかだけでは決まりません。
- Spec:仕様・性能。数値、構造、素材、搭載技術など
- Feel:使用感。巻き心地、曲がり方、戻り、操作感、持ち重りなど
- Affinity:趣・愛着。見た目、ブランド、思想、所有したい感覚
- Fit:適合性。自分の釣り、用途、フィールド、対象魚に合うか
- Cost:費用感。価格、合わせる道具、出番、代替品との比較
この5つのバランスで、手元に残る道具と、整理する道具が分かれていきます。
つまり、購入するときもこの観点で見てみると、より長く使っていけるものが判断できると思います。
とはいえ、経験をしてくうちに、主観であるFeelとAffinityは変化していくので、時々棚卸ししてみるといいかもしれません。
enjoy fishing life.

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